リールカスタムを楽しむフレッシュウォーターアングラー・ソルトウォーターアングラーの皆様に幅広く人気のあるLIVRE(リブレ)製のハンドルが今回の主役です。
カスタムハンドルといいますとカーボン製のイメージがありますが、リブレ製カスタムハンドルはすべて金属製です。
金属製で剛性感のあるハンドル本体と各フィッシングシーンに合わせデザインされた独特な形状のハンドルノブ達、ハンドルノブ本体に焼きを入れることで発色させるLIVRE製品にしかないファイアーパターンカラーなどなど、他メーカーにはない特徴が数多くありますが、実はハンドルそのものの構造にも他社商品と大きく異なる点があります。
今回はその構造のお話と、その構造を活かしたとても便利なカスタム方法をご紹介させていただきます。
◆リブレ製ハンドルの他社製品と異なる便利な構造
現在カスタムメーカーから発売されているハンドルには取り付けるリールによって基本”シマノ用”と"ダイワ/Abu用"という2種類のタイプがラインナップされています。
これは、ハンドルを取り付けるハンドル軸の直径サイズが異なることが起因します。簡単に言いますと、ダイワ/Abuリールのハンドル軸のほうがシマノリールのハンドル軸より太いんです。
(※理由は分かりませんが、ダイワリールとAbuリールのハンドル軸の太さは同じです。)
ですので、カスタムハンドルを発売する際は、そのサイズ違いを解消する為にシマノ用とダイワ/Abu用の2種類がラインナップされているというわけです。
補足になりますが、同じ理由でハンドルロックナットにもシマノ用とダイワ/Abu用がそれぞれ用意されています。写真の通りダイワ/Abu用のハンドルロックナットのほうが穴が大きくなっています。なお、カスタム業界では、シマノ用のハンドルロックナットをM7,ダイワ/Abu用のハンドルロックナットをM8と記載することもあります。
さらに、ダイワリールにはナットタイプの他にボルトタイプもありますがハンドル軸の径は共通規格になっていますのでハンドルの固定方式がボルトタイプのモノもダイワ/Abu用のカスタムハンドルを取り付け可能です。
”カスタムハンドルには"シマノ用"と"ダイワ/Abu用"の2タイプがある”
これがカスタムハンドルの基本原則であり、こういう専用構造な作りの為、例えばシマノ用のカスタムハンドルをダイワ/Abuリールに取り付けたり、ダイワ/Abu用のカスタムハンドルをシマノリールに取り付けるということは不可能。ハンドルをしっかりリールに固定出来なかったり、取り付けそのものが出来ないからです。
なのでメーカータイプを間違って購入してしまうと、また1万~1万5千円の大きな出費を覚悟して対応モデルをハンドル本体ごと買いなおす必要があるわけです。
ところが!リブレのハンドルならば約1500円ほどの予算で、一部のパーツを別途購入するだけでシマノリール用として購入したハンドルをダイワ/Abuリールに取り付けることが出来るんです!
これを可能にするのが、リブレ製カスタムハンドル独自の機構である”クイックチェンジシステム”です。
厳密に言えばリブレハンドルもご購入の際にはシマノ用かダイワ/Abu用かを選択する項目がありますが、その後”センターナット”と”六角ワッシャー”という2つのパーツを交換すればシマノ/ダイワ/Abuリールどれにも装着可能となります。
特に重要なのが、”六角ワッシャー”というパーツです。
このパーツはスタードラグとハンドル本体の間にあり、ハンドルの裏側に取り付けられます。
先ほど、リブレ以外のカスタムハンドルの場合、間違ったハンドルタイプを購入してしまった時は正しいハンドルタイプを購入しなおさなければならない、と説明させていただきましたが、これはハンドル本体にハンドル軸への取り付け用の穴が直接空いている構造が原因です。なので間違った場合はハンドル本体を買いなおさなければならず高い経費が追加でかかるわけです。
これに対し、リブレのカスタムハンドルはこの穴の部位が六角ワッシャーという別パーツとしてハンドル本体から簡単に取り外しが可能な構造をしています。この構造の素晴らしいところは、価格の大部分を占めるハンドル本体は使い回しが可能という点です。メーカーでサイズが異なる部位が六角ワッシャーという比較的安価なパーツとして分離していますのでハンドル本体の1/10ほどの予算で、ハンドルの再利用や使い回しが可能になります。
⇒http://www.hedgehog-studio.com/phone/product/6147
こちらが六角ワッシャーの商品ページになります。
ページにいきますとメーカータイプの選択肢がありますので取り付けるリールによってお選びください。
次にセンターナットについてです。
このパーツはハンドルの上から取り付け、ハンドル本体をリールにしっかり固定する為に必要なパーツです。
このパーツもメーカーによって仕様が異なりますので、メーカーを超えてハンドルの取り付けを行う際は交換しなければならない部位です。ここで気をつけなければならないのはセンターナットには、シマノ用とダイワ用に加え、ダイワ・ボルトタイプ用と3つのタイプがあることです。
ここでは、実際に取り付けるハンドル軸を見ながら解説させてもらいます。
まずシマノ用。
シマノリールの場合はナットタイプとなっており、この1種類しかありませんので、ハンドルの左右を気をつけてもらえれば特に問題はありません。
次にダイワ用です。ダイワリールはハンドルの固定方法が2パターンありますのでそれぞれにあったセンターナットを購入する必要があります。
まず一つは、シマノ用と同じ構造であるナットタイプ。
写真だけ見るとシマノリールとまったく同じに見えますが、文頭で解説させてもらったとおりハンドル軸の太さが異なりますのでダイワ専用のタイプを購入する必要があります。
⇒http://www.hedgehog-studio.com/phone/product/4304
なお、ナットタイプはこちらのページから購入出来ます。
各選択欄でお手持ちのリールの条件をお選びください。
そして問題なのが、このダイワ用ボルトタイプです。
一見するとダイワリールのナットタイプと同じように見えますが、ハンドル軸の真ん中に穴が空いているのがこのタイプの特徴です。固定パーツもボルトになっていますので見た目で判断するのもありだと思います。
⇒http://www.hedgehog-studio.com/phone/product/3850
なお、ボルトタイプはこちらのページから購入出来ます。ボルトタイプは左右のハンドル共通パーツになりますのでご注意ください。
お手持ちのリールがどのタイプが分からない場合は弊社特集ページのパーツ欄やリブレの対応表を参考にしていただければと思います。
(※ダイワB1と書かれているのはボルトタイプという意味になります)
・HEDGEHOG STUDIO特集ページ
シマノ⇒http://www.hedgehog-studio.com/phone/page/160
ダイワ⇒http://www.hedgehog-studio.com/phone/page/159
アブ⇒http://www.hedgehog-studio.com/phone/page/161
・LIVREパーツ対応表
シマノ⇒http://www.hedgehog-studio.com/phone/page/371
ダイワ⇒http://www.hedgehog-studio.com/phone/page/372
アブ⇒http://www.hedgehog-studio.com/phone/page/373
以上、少し長くなりましたが、リブレ製のフレッシュウォーター用ベイトリールハンドルならば六角ワッシャーとセンターナットを組み替えれば多くのリールに取り付けが可能という話でした。
本当によく考えられている機構だと思います。
実際に使いまわしてみる。
では、実際にリブレ製カスタムハンドルをシマノ・ダイワ・Abuのベイトリールにパーツを交換しながら取り付けてみます!
最初に購入したハンドルは、”LIVRE CRANK 90 シマノ・左ハンドル用”です。
それをシマノ 16クロナークMGL 左ハンドルモデルに取り付けるつもりで購入したと想定します。
それでは早速取り付け!
これはきちんと対応したハンドルを購入したので問題なく取り付け出来ました。
なお、この16クロナークMGLにはヘッジホッグスタジオ製のカラーパーツとAvail製のヘキサゴナルスタードラグとメカニカルブレーキノブをすべてシャンパンゴールドというカラーで装着しています。
ここからが重要です。
次はダイワ SS SV 右ハンドルモデルに取り付けてみようと思います。
この時に交換が必要なのは先ほど説明させていただきました”センターナット”と”六角ワッシャー”という2つのパーツです。
まず、センターナットは新たに”ダイワ/Abu用 右ハンドル用”、六角ワッシャーも”ダイワ/Abu用”を用意します。
ハンドル本体は上記と同じ”LIVRE CRANK 90”です。
これらのパーツを用意すれば、組み込み方法などは同じですので組み立てていきます。
無事に取り付け完了です!
最後にダイワ タトゥーラ HDカスタム 左ハンドルモデルに取り付けてみようと思います。
ここでも交換が必要なのは”センターナット”と”六角ワッシャー”の2つです。
まず、センターナットですがここで注意を。タトゥーラ HDカスタムはハンドルを固定しているナットがボルトタイプになっていますので”センターナット単品
ボルトタイプ”を用意します。六角ワッシャーは”ダイワ/Abu用”を用意します。
これらのパーツを用意すれば、組み込み方法などは同じですので組み立てていきます。
無事に取り付け完了です!
という感じで、最初にシマノ用として購入したCRANK 90をセンターナットと六角ワッシャーを適時交換することでダイワリールに取り付けてみました!作業は難しいことはなく、先の2つのパーツを取り付けたいリールに合わせて選択し、用意するだけです。
この機構、LIVREのカタログなどでは、製品紹介ページなどに”クイックチェンジシステム”という名称で簡単に説明もされているのですが、実際に行う場合どのパーツを交換すればいいのか、などが記載ありませんでしたので今回このようなコラムを書かせてもらいました。
もし、皆様のお手元に適合が違って使われていないリブレハンドルがあればこの方法で別のリールに取り付け復活させてみては如何でしょう!?
※このカスタムが可能なリブレ製カスタムハンドル(2017年3月現在)
・CRANK シリーズ
・CRANK Featherシリーズ