スプールベアリングリムーバーTypeRのお話 その①

KAKEDZUKA DESIGN WORKS・欠塚です。

 

ここ数ヶ月ずいぶんとサボってしまいましたが、また改めて書いていこうと思いますので宜しくお願いします。

 

さて、この夏KAKEDZUKA DESIGN WORKSではマシニングセンタに新しくユニットを導入しました。

 

これまでは工程によってチャッキングをやり直していたのですが、今回導入したユニットでは一回のチャッキングで複数個所の加工が可能になったので、より加工精度がアップしました。

 

これにより不良率がグンと減り、製品の完成度が高くなったんですよ。

 

このユニットはスプールベアリングリムーバーTypeRのために導入したと言っても過言ではなく、これまで恐ろしいほど不良率が高かったのが、ほとんど無くなると期待してます。

 

 多角加工が可能に

 

スプールベアリングリムーバーTypeRに関してはご存知だとは思いますが、ベイトリールのスプールにセットされているベアリングを交換するときに、スプールシャフトに刺してあるピンを外すための専用ツールです。

 

このスプールベアリングリムーバーTypeRがないとスプールシャフトピンを抜く事は非常に困難なんですよね。

 

その専用ツールであるスプールベアリングリムーバーですが、加工精度はかなりシビアなんですよ。

 

自分で設計しておいて何ですが、これまでは完成までに相当な時間を検品に費やしてました(汗っ。

 

材料の状態から削り終わりまでに、計四回チャッキング(材料を固定する作業)を行ってたのが原因で、ヒューマンエラーが多発してたんですよ。

 

それが今回のユニットで、材料を一度チャッキングすれば微妙な制度が必要な箇所を、一度も材料を外す事なく加工できるようになったんです。

 

これまで無理だった多角加工が可能になったという事なんですよ。

 

これは画期的なんですよね。

 

スプールベアリングリムーバーTypeRの精度

 

スプールベアリングリムーバーTypeRは本体とクロスレンチの組み合わせですが、その精度は難しく、芯がちゃんと出てないと機能しません。

 

本体のネジ穴をステンレスのネジで補強してあるのですが、ここの下穴の精度は少しでもズレるとスプールシャフトピンが抜けないんですよ。

 

これが今回のユニットだと繰り返し精度が1/000mm単位で出ているので、ほとんど狂う事が無いんです。

 

機能的にはこれまでリリースしてきたものと変わりないのですが、傷や打痕以外で不良がほぼ出ないという部分が大きく改善されたところですね。

 

そして同時にクロスレンチも作ってるのですが、これも以前は外注してたのが、今は自社で加工してるので組み合わせも完璧になりました。

 

ほんのちょっとした誤差が不良になってしまってたのが、今後は高精度を保ったままリリースできると思います。

 

さて次回は組み合わせるクロスレンチについてお話させてもらいますね。 

 

 

Written by 欠塚 実

東京都足立区の町工場で日々ものづくりに励んでます。
リールのカスタムパーツをデザインから設計、サンプル製作、そして時には自分でフィールドテストもします。
NBC房総チャプター(亀山ダム)にも参戦中です!

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